レッスン 06

AIモデルとその利用方法

AIの「脳」であるモデルの仕組みと、クラウド型・ローカル型の違いを理解しましょう

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AIモデルとは何か

AIモデルは、人工知能の「脳」そのものと考えることができます。ChatGPTの裏で動いているGPT-4、Claudeの基盤となるClaude、GoogleのGeminiなど、これらはすべて異なるAIモデルです。

モデル vs サービス

「ChatGPT」はサービス名で、その裏で動いているのが「GPT-4」というモデルです。同じモデルでも、異なるサービスで使われることがあります。

主要なAIモデル

🤖 GPT (Generative Pre-trained Transformer)

開発元:OpenAI

主なサービス:ChatGPT、API経由で多数のアプリケーション

特徴:最も広く使われているモデル。自然な文章生成、幅広い知識、コーディング支援に強み

🧠 Claude

開発元:Anthropic

主なサービス:Claude.ai、Claude API

特徴:長文の理解と生成に優れ、より安全性を重視した設計。プログラミング支援やドキュメント分析に強み

💎 Gemini

開発元:Google

主なサービス:Gemini、Google検索への統合

特徴:Googleのサービスとの統合が強力。最新情報へのアクセス、マルチモーダル(テキスト・画像・音声)処理に強み

モデルを活用したサービスの広がり

AIモデルは、様々なサービスの裏側で使われています。例えば:

  • ビジネスツール:Microsoft Copilot(GPT-4ベース)、Notion AI、Slack AI
  • 開発ツール:GitHub Copilot(Codexベース)、Cursor、Replit
  • クリエイティブツール:Canva Magic Write、Adobe Firefly
  • 検索エンジン:Bing AI、Perplexity AI

これらのサービスは、GPT、Claude、Geminiなどのモデルを基盤として、特定の用途に最適化されています。

クラウド型 vs ローカル型モデル

AIモデルの利用方法は、大きく分けて2つの形態があります。

クラウド型モデル(主流)

ChatGPT、Claude、Geminiなど、インターネット経由でサービスにアクセスして利用するタイプです。

ローカル型モデル(玄人向け)

自分のパソコン上でAIモデルを動かすタイプです。以下のようなオープンソースモデルがあります:

  • Llama:Meta(旧Facebook)が開発したオープンソースモデル
  • DeepSeek:中国発の高性能オープンソースモデル
  • Qwen:Alibabaが開発した多言語対応モデル
  • GPT-OSS:GPTアーキテクチャのオープンソース実装

これらのモデルはHugging Faceというプラットフォームで配布されており、無料でダウンロード・利用できます。

クラウド型 vs ローカル型の比較

項目 クラウド型 ローカル型
導入の容易さ ブラウザですぐ利用可能 技術的知識が必要
コスト 月額課金または従量課金 無料(電気代のみ)
性能 最先端の高性能モデル PCスペックに依存
データプライバシー 外部サーバーに送信される すべてローカルで処理
情報漏洩リスク サービス提供者に依存 外部に送信されない
最新情報 常に最新モデルを利用 手動でアップデート必要
必要な技術力 不要 プログラミング知識が必要
インターネット接続 × 必須 オフラインでも動作

ローカルモデルのメリット・デメリット

メリット

  • プライバシーの保護:機密情報を外部に送信せず、ローカルで処理
  • コストの削減:月額料金やAPI料金が不要(電気代のみ)
  • リスクの低減:レッスン05で学んだ多くのリスクを回避できる
  • カスタマイズ性:特定の業務に合わせてモデルを調整可能
  • オフライン利用:インターネット接続がなくても使用可能

デメリット

  • 技術的ハードル:セットアップにプログラミングの知識が必要
  • ハードウェア要件:高性能なPC(特にGPU)が必要な場合がある
  • 性能の制限:クラウド型の最新モデルには性能で劣ることが多い
  • メンテナンス負担:モデルの更新や管理を自分で行う必要がある

💡 初心者への推奨

まずはクラウド型のサービス(ChatGPT、Claude、Gemini)で経験を積みましょう。ローカルモデルは、AIの基本的な使い方を理解し、特定のニーズ(高度なプライバシー要件、コスト削減など)が明確になってから検討するのがおすすめです。

ローカルモデルに興味がある方へ

もし技術的な挑戦に興味がある場合、以下のステップで始められます:

1. Hugging Faceを探索

Hugging Faceにアクセスして、様々なオープンソースモデルを閲覧してみましょう。

2. 軽量モデルから始める

最初は小型のモデルから試すことをおすすめします:

  • Llama 2 7B(比較的軽量)
  • Mistral 7B(高性能かつ軽量)
  • Qwen 7B(多言語対応)

3. ツールを活用する

以下のようなツールを使うと、ローカルモデルの導入が簡単になります:

  • Ollama:ローカルモデルを簡単に実行できるツール
  • LM Studio:GUI でローカルモデルを管理・実行
  • text-generation-webui:ブラウザベースのインターフェース

⚠️ 注意点

ローカルモデルの運用には、ある程度のPCスペック(特にGPUメモリ)が必要です。また、セットアップにはコマンドライン操作の知識が求められます。興味がある方は、まず情報収集から始めることをおすすめします。

あなたに合った選択を

AIモデルの選択は、目的や状況によって異なります:

  • ビジネス利用、初心者:クラウド型(ChatGPT、Claude、Gemini)
  • 高度なプライバシー要件:ローカル型を検討
  • 大量利用でコスト削減:ローカル型を検討
  • 最新機能を常に利用:クラウド型
  • 技術的挑戦を楽しみたい:ローカル型を試してみる

💡 ハイブリッド活用もあり

普段はクラウド型を使い、機密性の高いタスクだけローカル型を使うなど、両方を使い分けるアプローチも有効です。

まとめ

AIモデルは「脳」であり、それを使うサービスは「インターフェース」です。自分の目的に合わせて適切なモデルとサービスを選択することが、AIを効果的に活用する鍵となります。

AI全般のレッスンはこれで完了です。次は起業・ビジコン、クリエイティブなど、興味のある分野のレッスンに進んでみましょう!

🎉 AI全般レッスン完了おめでとうございます!

ここまでの学習で、AIの基礎から実用的な活用方法まで、一通りの知識を習得しました。実践を通じて、さらにスキルを磨いていきましょう。