レッスン 04

AIエージェント

自律的に動作するAIエージェントの仕組みと活用方法を理解しましょう

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AIエージェントとは

AIエージェントは、自律的に動作を行うAIの総称です。単純に質問に答えるだけでなく、目標を与えられると自分で考えて行動し、タスクを完遂しようとします。

従来のAI vs AIエージェント

従来のAI:「質問に答える」「指示されたことを実行する」

AIエージェント:「目標に向かって自分で考え、複数のステップを自律的に実行する」

実際のところ、定義は曖昧で、「自律的に動くようなやつ」をエージェントと呼ぶことが多いです。厳密な定義にこだわるより、その仕組みと活用方法を理解することが重要です。

AIエージェントの4要素

AIエージェントは、以下の4つの要素で構成されています。これらが組み合わさることで、自律的な動作が可能になります。

👤Profile(役割)

各エージェントの役割と目的を定義

エージェントが「何者」として振る舞うかを決定します。例えば、「マーケティング専門家」「プログラマー」「データアナリスト」といった役割を与えることで、その分野の知識と視点で行動します。

  • 専門分野の設定
  • 得意なタスクの明確化
  • 判断基準の定義

🧠Memory(記憶)

各エージェントの経験を蓄積し、次の行動のために記憶を活用

過去のやり取りや実行結果を記憶し、それを次の判断に活かします。会話の文脈を理解したり、過去の失敗から学習したりできます。

  • 短期記憶:現在の会話や作業の文脈
  • 長期記憶:過去の経験や学習内容
  • 作業履歴:実行したタスクとその結果

📋Planning(計画)

タスクをサブタスクに分割し、目標達成のための計画を立てる

大きな目標を小さなステップに分解し、実行可能な計画を作成します。人間が「タスクを細かく指示する」必要がなく、エージェントが自分で計画を立てます。

  • 目標の分析と理解
  • サブタスクへの分解
  • 実行順序の決定
  • 必要なリソースの特定

Action(行動)

Profile / Memory / Planningの結果に基づきタスクを実行し、結果を取得

計画に基づいて実際に行動を起こします。Web検索、ファイル操作、コード実行、外部APIの呼び出しなど、様々なツールを使って目標を達成します。

  • ツールの選択と使用
  • タスクの実行
  • 結果の評価
  • 必要に応じた計画の修正

💡 4要素の連携

これら4つの要素は独立しているのではなく、相互に作用します。役割に基づいて計画を立て、記憶を参照しながら行動し、その結果を再び記憶に蓄積する、という循環が起こります。

参考:A Survey on Large Language Model based Autonomous Agents (Fig.2)

AIエージェントの実例

具体的にどのような場面でAIエージェントが活躍するか、例を見てみましょう。

例1:市場調査エージェント

目標:「新商品の市場規模を調査してレポートを作成して」

  • Profile:マーケットリサーチャーとして振る舞う
  • Planning:①競合調査 ②市場規模の推定 ③ターゲット層の分析 ④レポート作成、と計画
  • Action:Web検索で情報収集、データを分析、レポートを生成
  • Memory:調査結果を記憶し、次の分析に活用

例2:プログラミングアシスタントエージェント

目標:「ログイン機能を実装して」

  • Profile:Webエンジニアとして振る舞う
  • Planning:①仕様の確認 ②データベース設計 ③認証ロジックの実装 ④テスト、と計画
  • Action:コードを書き、ファイルを作成・編集、テストを実行
  • Memory:プロジェクトの構造を記憶し、一貫性のあるコードを生成

AIエージェントを使う上でのポイント

  • 明確な目標を設定:「〇〇を達成して」という形で、ゴールを明確に伝える
  • 適切な役割を与える:タスクに合った専門家としての役割を設定する
  • 中間確認を入れる:完全に任せきりにせず、重要なポイントで確認を入れる
  • 制約条件を伝える:予算、期限、使用可能なツールなどの制約を明示する
  • 結果を検証:エージェントの出力は必ず人間が最終チェックを行う

⚠️ 注意点

AIエージェントは便利ですが、完璧ではありません。特に重要な判断や最終的な意思決定は、必ず人間が行いましょう。エージェントは「超優秀なアシスタント」であり、「完全に任せられる社員」ではありません。

実践のコツ

  • 小さなタスクから始める:いきなり複雑な業務を任せず、簡単なタスクで動作を確認
  • フィードバックを与える:結果を見て、改善点を伝えることで精度が向上
  • テンプレート化:うまくいった指示の仕方はメモして再利用
  • 定期的な見直し:エージェントが正しい方向に進んでいるか、途中で確認

💡 今すぐ試してみよう!

ChatGPTやClaudeを開いて、「あなたはマーケティング専門家です。私の事業アイデアについて、市場規模を推定し、ターゲット層を分析してください」と指示してみましょう。エージェント的な振る舞いを体験できます。